商標権の移転
商標権の移転には、「譲渡」「相続」「合併等による一般承継」などがあります。
また移転には、二以上の類似関係にある商標に係る商標権を有する場合に、その一部を分離して移転する【分離移転】と、商標が同一で指定商品・役務が二以上ある場合に、指定商品・役務ごとに分割して移転する【分割移転】があります。
商標権の移転は、登録しなければ効力を生じません。ただし、相続その他一般承継の場合は、登録は効力発生要件ではありません。遅滞なく、その旨を特許庁長官に届け出なければなりません。
商標権の及ばない範囲
1号
自己の肖像又は自己の氏名若しくは名称若しくは著名な雅号、芸名若しくは筆名若しくはこれらの著名な略称を普通に用いられる方法で表示する商標
2号
当該指定商品若しくはこれに類似する商品の普通名称、産地、販売地、品質、原材料、効能、用途、数量、形状(包装の形状を含む。次号において同じ。)、価格若しくは生産若しくは使用の方法若しくは時期又は当該指定商品に類似する役務の普通名称、提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途、数量、態様、価格若しくは提供の方法若しくは時期を普通に用いられる方法で表示する商標
3号
当該指定役務若しくはこれに類似する役務の普通名称、提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途、数量、態様、価格若しくは提供の方法若しくは時期又は当該指定役務に類似する商品の普通名称、産地、販売地、品質、原材料、効能、用途、数量、形状、価格若しくは生産若しくは使用の方法若しくは時期を普通に用いられる方法で表示する商標
4号
当該指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について慣用されている商標
5号
商品又は商品の包装の形状であつて、その商品又は商品の包装の機能を確保するために不可欠な立体的形状のみからなる商標
上記の商標については、商標権の効力が及びません。
本条の規定は、商標権が上記の商標等に対して行われた過誤登録に対する第三者の救済のために規定されました。
また、商標自体は不登録理由に該当せずに商標登録を受けることができたものの、類似部分に禁止権の効力が及ぶこととなり、その類似部分に上記の商標が含まれている場合に、商標権の効力が及ぶのは妥当ではないからです。
また、後発的に上記の商標に該当するものとなった場合、一般人がその商標を使用することを保証するためです。
登録異議申立
何人も、商標掲載広報の発行日から2月以内に、商標登録の異議申し立てをすることができます。
異議理由は、
1号
その商標登録が第三条、第四条第一項、第七条の二第一項、第八条第一項、第二項若しくは第五項、第五十一条第二項(第五十二条の二第二項において準用する場合を含む。)、第五十三条第二項又は第七十七条第三項において準用する特許法第二十五条 の規定に違反してされたこと。
2号
その商標登録が条約に違反してされたこと。
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